2020年8月9「今週の見方」の要約版をお届けします。

<2020年8月10~8月14>*8月10日(祝)休場

テクニカル的な見方

  • 日経平均は先々週末(7月31日)に21700 円台まで急落しましたが先週は反発。日足の一目均衡表の基準線の上に復帰した強さは一つ考える事が出来る動きだと思う。
  • 今週は22300円台に水準を切り上げる「雲」の上限が下支え役として存在して来るので、下値余地は限定的と判断できるならば、上値を試す可能性は十分にあるだろう。

市況分析

  • 21700円台まで急落した先々週末(7月31日)は、前日に発表した決算で今期の大幅減益予想を明らかにした半導体関連のアドバンテストがストップ安したことが一因であった。シンボル的な部分があるから、市場に与えた影響は高いでしょう。
  • 先週は大幅な赤字決算を発表したJALとJR各社の株価が反発している。先々週末の相場急落はアドバンテストに代表される決算発表への失望を完全に織り込む「必要悪」の下げだった可能性が大きい。

JALに代表される決算発表での悪材料出尽しを確認したことで、今後、相場は上昇基調を再開しても良い環境は出来たと考える。

新型コロナ感染者数

  • 日本株は感染者の数を気にしすぎると思う。または、それを利用した売りが出て来ている可能性がある。
  • ダウ工業株30種平均は感染者が増えてもあまり下落せず、むしろ、最近のピークアウトを好感して上昇する兆しを見せている。感染者が爆発的に増えているブラジルのボベスパ指数に至っては、ナスダック総合指数並みに上昇している。
  • 日経平均とTOPIXは感染者の数に反応している間に、お隣の韓国総合指数と台湾加権指数から大きく出遅れた。

先日も書いたように「今回は人数に反応ではなく、あくまでも経済に対する数字が重要となっている」ということである。

結果的に先々週末の急落が押し目買いの好機だったように、今後、感染者の数に過剰反応するのは避け方が良いだろう。

国内景気

  • 先週3日に発表された7月の米国のISM製造業景況感指数は54.2、中国の財新・製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.8となり、好不況の分かれ目である50を上回ってさらに上昇した。日本の企業収益は外需の影響を受けやすく、ISM指数とPMIに連動しやすから、秋口の企業数値は相当改善されていると思う。
  • 先週の日本株が決算発表を悪材料出尽くしと受け止めたのも、7~9月期に向けた収益好転を先取りし始めたものと考えた方が理解しやすい。

需給要因

  • 先週4日に発表された7月のマネタリーベース(日銀が市中に供給しているお金の総量)は財政出動と金融緩和で大幅な増加が続き、増加ペースはアベノミクスの異次元緩和が本格化した2013~15年以来のこと。
  • 当時はドル高円安が進んだことも加わり、日経平均は大幅上昇した。今回はドル安円高が進んでいるものの、日本の措置によって値幅は限定されて、このピークに近い状況で105円が守れているならば、そう大きな円高は想像しにくい。

今後もマネタリーベースの増加が家計と企業の安心感を通して株価の支援要因になると考えられる。

外資系については、多くが方向を決めていないという感じである。結局は、個人投資家が勝手に動きにくい市場を早く動こうとしての「自滅」ケースが多い状況である。

<今後の投資>

過去の事例からこの時期は材料株のリバウンドと増額修正を行って来た企業に絞り、秋口での展開を想定しながら、現在、その予兆を取る売買をしておくべきだろう。統計的に混とんとした時期に通期増額修正してきた企業はの方針は変わらないことが多く、そのような株式が秋口大きく化ける可能性がある。

 

今週の見方(8月9日)

株式投資:今週の参考銘柄(8月9日)

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